春秋譜 新年
yumehitoha
夢一葉
芋の芽に覆ひ被さる別れ霜
汗垂りてやうやう春の畑仕舞ひ
紫雲英咲く畔を巡りて小半時
げんげ田の一枚残る花盛
白鷺の町に娘は入学す
チューリップ歌伸び伸びと一年生
学童がタンポポを摘むひなたぼこ
たんぽぽの絮飛んで行け晴れた空
なずな実をつけてペンペン春深む
燕来て賑はひ戻る老の家
山路来て春蘭ほのと香りけり
桃の花過ぎて漸く雛仕舞ひ
花冷えも路傍の花の名を知らず
こでまりの花白ければ雨白し
古稀過ぎて病の春のとろろ汁
葉牡丹の花咲くまでを見届けり
雨上がる霧も霞も人纏
京奈和道高天原の遠霞
何処にでも生きていきます金鳳花