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春秋譜 新年

yumehitoha

除夜の鐘起きて聞きつつ夜明け前

天神社お詣り前の初明り

親の春この春孫の春開ける

南天も榊も添へて松飾

日月は思ひ出の中年開く

しみじみとしみじみとして年明ける

新年も一年一日事なかれ

年開く大大吉は無事一つ

新玉の年の初めを孫と子と

初空や大大峰の藍茜

石段や一段ごとの初詣

葛城和泉の峰の年新た

正月や孫子と囲む祝膳

初雑煮大椀にして餅二つ

粥柱一口食みて年祝ふ

師走までこのままあれよと初笑

お互ひの安全確認年始状

ウイルスに淋しき春を迎へけり

年賀状添書きなく縁細く

三ケ日明けはそれぞれ帰りゆく

仲良しのそのまま育て雪遊び

雪だるま孫帰る日の暖かさ

かるた遊び覚えし孫ら帰り行く

子ら去にて残る煮締の重の隅

書入は妻の仕事の初暦

夢はじめ一二の三がなくて良し

御用始御用納の齢となり

父亡き後七草粥は我が勤め

七草の厨に緑匂ひける

山川の色新しき松の内

宵戎ご隠居様も恵比須顔

藪入の言葉も絶えて松明ける

羽子板の羽音のなき寝正月

あらたまの父母なき年を数へけり

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K.F
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俳人
和歌山県在住
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